社会人に必要なコミュニケーションスキル「アドラー心理学」-理論編-

仕事術

社会人になると嫌でも付きまとうのが対人コミュニケーションです。

私は医療従事者として患者や他職種と関わりを持つため、相手に合わせたコミュニケーションスキルが必要でした。

そこでアドラー心理学を勉強し、仕事に活かすことができたので紹介していきます。

今回は理論編であり、対人関係におけるアドラー心理学の考え方を学びましょう。

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アドラー心理学とは

オーストリアの心理学者アドラーによって提唱された心理学です。

対人関係上のトラブルに悩まされたと言った人は多いでしょうが、アドラー心理学はそんな人たちの助け船となる手法です。

「勇気づけ」を主な手法とし、対人関係上の困難を克服する活力を与えます。

それではまず、アドラー心理学の理論について説明していきます。

アドラー心理学の理論

アドラー心理学の理論は大きく5つに分けられます。

ひとつずつ説明していきます。

自己決定性

人は現状を、特定の影響によるものだと考える傾向にあります。

確かに、環境や生育歴上の問題は性格形成に関与しますが、最終的にその人の性格を決めるのは自分自身です。

あなたを作ったのはあなたであり、それを変えうるのもあなたです

人間は自分の運命の主人公であり、多くの場面で自己決定をしていきます。

アドラーの心理学の自己決定における判断基準は、以下の2つです。

  • 建設的(ユースフル)
  • 非建設的(ユースレス)

この判断基準を使うことで、他者を悪者扱いして排除しなくなります。

相手が行動に移すときは、なにかしらの自己決定がなされているため、それを見いだすことが重要です。

目的論

過去の原因ではなく、未来の目標を見据えている人間の行動には、何かしらの意思が伴う目的があります。

一時期は過去志向型の「原因論」が主流でしたが、アドラーの心理学における目的論はこの対極の考えになります。

人はなにか行動しようと動機付けられたとき、それはマイナスからプラスの方向へと意思が働きます

未来は自分の意思で主体的に創造するものであり、変えられる未来を他者の協力を得ながら作り上げていく方が勇気付けられます。

人がなにか行動に移すのは、現状を変えたいときがほとんどですからね。

全体論

人は心と体が矛盾対立はせず、みんながかけがえのない、分割不能な存在であると言った考え方です。

みなさんは、こんな経験はよくありませんか。

  • ダイエット中だけど食べてしまう
  • 勉強しないといけないのに寝てしまう

これらは意識と無意識、理性と感情の矛盾・対立を強調していますが、決してできないわけではなく、しようとしないといった表現が適切です。

つまり、一見すると矛盾した方向に思えますが、それぞれは相補的なものであり、その意味で人格(パーソナリティ)には統一性があると言えます。

発言が行動に伴わない場合も、その人のパーソナリティであることを受け入れましょう。

認知論

誰もが自分だけのメガネを通してものを見ているといった考え方です。

私の記事も役に立ったと感じる人もいれば、何も得られなかったと評価する人もいるように、同じ出来事を体験してもその受け止め方は人それぞれになります。

人は外界の出来事について客観的に事実を把握するのではなく、自分の都合が良いように主観的に意味づけをして反応します。

事象Aに対し、自分自身が良いと思っていても、他者から見たらそうでもないと感じる可能性があることを理解しておいてください。

対人関係論

すべての行動には相手役がいるといった考え方です。

その人を理解しようと思えば、認知論に加えてその人の対人関係のパターンを観察することが近道です。

冒頭で述べた相手役には、他者だけでなく自分自身も含まれており、何かの問題に直面したときには、現実の自分を問答して結論を導きます。

その人の行動にはどのような相手役がいるのか考えてみましょう。

アドラー心理学の理論を活用する

相手に依頼をするとき、なかなか思うように行動に移して頂けないことは多いです。

そんなとき、相手はどんなことを考えているのでしょうか。

報連相ができない部下

報告が遅い、相談がない部下は意外といるものですが、アドラー心理学の認知論で考えてみましょう。

上司:事象Aは相談するべき内容だ

部下:事象Aは大切でなく、報告の必要はない

このように、事象Aに対する認識のズレを認める場合があります。

まずは部下の認識を確認し、自分とズレがあるのか把握しましょう。

落ち込んでいる人

仕事のミスで上司に叱られ、落ち込んでいるBさんがいるとしましょう。

  • どうしてこんなことができないのだろう
  • なぜあのような行動をしてしまったのか

Bさんは仕事をミスした原因を追求ばかりしてしまい、これからどのように解決していくのかといった考えには至っていないようです。

これは過去志向型の原因論といって、問題の説明にはなりますが解決に導かれることは多くありません。

アドラー心理学の目的論は未来志向型であり、どのように行動していくかといった建設的な方向に導いてあげることも上司の役割だと思います。

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参考著書

今回参考にしたアドラー心理学の著書です。

より詳しく知りたい方はぜひ参考にしてみてください!

漫画付きなので初心者でも読みやすくておすすめですよ。

まとめ

アドラー心理学の理論についてお話ししました。

相手の行動原理にはなにかしらの心理的要因があり、それを見つけ出すことが大前提です。

少なくとも、相手を叱って終わりにするようにコミュニケーションは避けましょう。

社会で多いのは人間関係のトラブルですが、私の記事で少しでも誰かの役に立てたのであれば幸いです。

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