理学療法士や作業療法士などのセラピストは整形患者にリハビリを提供する場面は多いです。
特に新年度では、新人や異動者は初めて整形患者を担当することもあるでしょう。
今回は、急性期や外来など多岐にわたる整形患者を担当してきた私が参考にした専門書を13冊紹介していきます。
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動作分析編
整形患者で一番多い主訴は疼痛であり、代償動作によるメカニカルストレスであることが多いです。
時間が限られる臨床では、トップダウンで評価していくことでおおよその目星をつけることが必要な場合もあります。
動作分析としておすすめの専門書を紹介します。
観察による歩行分析
正常歩行を定義したperry博士の著書を翻訳したものとなります。
各相における関節運動や筋活動、モーメントが解説されているので、歩行をより詳細に把握することができます。
歩行障害における原因推論も記載してあるので、歩行分析で同様の所見に対して気付くことができるでしょう。
動作分析 バイオメカニクスに基づく臨床推論の実践
歩行だけでなく起居や起立動作など、さまざまな動作をバイオメカニクスの観点から解説しています。
各動作を相に分け、それぞれの動作の阻害となる因子を知ることでトップダウンの評価が可能です。
術後や回復期患者にも活用することができますよ。
スポーツリハビリテーションの臨床
問診や評価方法も記載されていますが、競技別にバイオメカニクスについて解説されており、スポーツ分野を担当するセラピストにはおすすめです。
特にスポーツ現場ではパフォーマンスだけでなく再発予防も重要になりますので、持っておいて損はないです。
触診編
整形患者に関わるときに、触診技術は絶対に必要になります。
正確に触診ができなければ、対象の組織にアプローチできないことがあるからです。
触診の勉強におすすめの著書を紹介します。
運動療法のための機能解剖学的触診技術
主に骨・筋肉・靭帯の触診の仕方が写真とともにわかりやすく記載されています。
各組織の臨床との接点や関連疾患の解説もされており、関連づけて覚えることもできます。
項目によっては屍体解剖図や超音波エコーを用いることで視覚的に理解を深めることも可能です。
上肢・下肢編と2冊ありますが、どちらもおすすめです。
機能解剖と触診
この著書の最大の特徴は、230本のWeb動画付きだということです。
本の問題点としては静止画の情報になってしまうため、触り方や手の動かし方を動画で確認できるのは大きな強みでしょう。
正確性の検証にエコーを用いているので、より理解が深められますよ。
評価編
整形患者の問題点を抽出するためには、まず評価能力が必要になります。
そこで、評価方法や解釈についてまとめた専門書を紹介します。
運動器疾患の機能解剖学に基づく評価と解釈
臨床で必要な評価を、臨床解剖学と関連づけて解説しています。
全てカラーイラストや超音波エコー写真が掲載されており、視覚的にイメージしやすい構成です。
覚えやすいように面白いイラストがあるので、記憶に残りやすいので個人的にはお気に入りの1冊です。
運動機能障害の「なぜ?」がわかる評価戦略
各項目にわけてフローチャート式に原因推論をしていく構成になっています。
機能解剖学の知識が身につくだけでなく、ケーススタディの記載により臨床と結びつけやすいです。
機能解剖学編
臨床推論には機能解剖学の知識は必須になります。
ここでは、機能解剖学をわかりやすく解説する専門書を紹介します。
運動器の臨床解剖アトラス
こちらは屍体解剖を用いて機能解剖学を解説しています。
屍体解剖は生きているヒトと状態が違うのではないかといった先入観が強かったですが、視覚的な立体構造を把握するために活用できることが利点です。
症状に対するアプローチも解説しているので、一連の流れで把握しやすい構成となっています。
運動器疾患の「なぜ?」がわかる臨床解剖学
こちらはいくつかの臨床症状に対し、カラーイラストや最新の知見を併せて解説しています。
初心者では少し難しいといった意見も聞きますが、言い換えればより深く理解を深められる1冊です。
編著は工藤慎太郎先生であり、超音波エコーや研究など整形分野を導くセラピストの1人であり、私も参考にさせて頂いています。
理学療法マネジメントシリーズ
マネジメントシリーズは私もよく参考にしています。
各関節における病態や病期に分けて評価や推論・治療が記載されているので、臨床推論の一連の流れを把握することができます。
ケーススタディによる解説もされているので、臨床に結びつけやすいのでおすすめです。
治療編
評価や臨床推論ができるようになっても、アプローチ方法がわからなければ困りますよね。
ここまでで紹介した著書にもアプローチが記載されている専門書はありますが、より特化して解説している専門書を紹介していきます。
整形外科運動療法ナビゲーション
主に術後整形患者を対象とした運動療法を紹介する著書にはなります。
しかし術後に経験する臨床症状は、慢性期や保存療法患者でも起こり得るものはあるので、術後患者に限らず選択の幅を広げるといった意味でもおすすめです。
アプローチ手技はカラー写真なので見やすい構造になっています。
敏腕PT 臨床実践シリーズ
敏腕PT 臨床実践シリーズは機能解剖学の解説も含まれますが、運動療法も豊富に記載されているのでここで紹介します。
ひとつの関節でも病態は異なり、項目ごとに解剖学や運動療法をまとめてあるので、スッキリしていて読みやすい構成となっているのでおすすめです。
入谷誠の理学療法 評価と治療の実際
インソールに対する治療について学ぶにはこの本がおすすめです。
もちろん歩行に関する知識やテーピング、運動療法も記載されているので、歩行の治療本として捉えて頂けると良いでしょう。
難しい内容もありますが、QRコードより実際の施術動画も確認できることもポイントです。
まとめ
整形患者に関わるセラピストにおすすめの専門書を紹介しました。
治療方法や病期によっても異なるので、なにから手をつけて良いかわからなくなる経験は私もありました。
実際に臨床で役立ったと感じた専門書のみを紹介したつもりなので、ぜひ参考にしてみてください。
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