ペースメーカには作動モードというものがあり、患者の症状に合わせて設定されています。
しかし、ペースメーカは常に正常に作動するばかりではありません。
そこで、今回はペースメーカの異常であるペースメーカ不全について解説します。
この記事を読んでわかること
- ペースメーカ不全の概要
- ペーシング不全
- センシング不全
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ペースメーカ不全とは
ペースメーカが正常に作動しない状態をペースメーカ不全と言い、以下に分類されます。
- ペーシング不全
- センシング不全
さらにセンシング不全は2つに分けられます。
- オーバーセンシング
- アンダーセンシング
センシング不全は基本的に感知機能が原因となります。
H3 オーバーセンシング
ペーシングが必要なタイミングであるにも関わらずペーシングが出ないことをオーバーセンシングと呼びます。
オーバーセンシングの原因は以下が挙げられます。
- 体内で発生する電位
- 体内に流れ込む電流
- 電磁障害
本質はなんらかの電気信号を過剰に感知することでペーシングが抑制されることになります。
アンダーセンシング
ペーシングが不必要なタイミングでペーシングが出ることをアンダーセンシングといいます。
アンダーセンシングの原因は以下が挙げられます。
- 自己心拍の心内電位の変化
- 不適切な感度設定
- リードの位置のズレ
- リード絶縁の不良、断線
- ルーズピン
T波の頂点付近は受攻期と呼び電気的に不安定な時期であり、このタイミングで心室ペーシングが入ると致死性不整脈を誘発する危険があります。
ペーシング不全
不応期以外にペーシングが出ているにも関わらず、その後にP波やQRS波が出現しないことをペーシング不全といいます。
ペーシング不全の原因は以下が挙げられます。
- ペースメーカの出力低下
- 心筋閾値の上昇
リード損傷や出力低値などのペースメーカ側だけでなく、薬剤などの基礎心疾患の影響も挙げられます。
参考文献、著書
五関善成:ペースメーカ心電図の判読ポイント~デバイス機能を理解する~
掲載先:東京都医学検査 Vol.49 No.2
H2 まとめ
今回はペースメーカ不全について解説しました。
臨床中にペースメーカ不全を早期発見できれば医師に報告することで最悪の事態を避けることができるでしょう。
一見セラピストに関係ないように感じる方もいると思いますが、なにごとも知っていれば対策ができるのでぜひ理解を深めていってください。
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