心臓ポンプ機能の規定因子とは?前負荷や後負荷と薬剤治療、リハビリについて解説

循環器

心疾患患者を担当するとき、心臓のポンプ機能(以下:心ポンプ機能)の把握はとても重要になりますが、決定因子について考えたことがありますか。

また、心ポンプ機能が低下してしまうとどのような症状が起こるのでしょうか。

今回は、心ポンプ機能について解説していきます。

この記事を読んでわかること

  • 心ポンプ機能の概要、決定因子
  • リハビリテーション視点の心ポンプ機能の考え方

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心ポンプ機能とは

心臓は生命維持のために全身に血液をポンプのように送り出しており、この血液循環のことを心ポンプ機能と呼びます。

その循環血液量は1日で約8000ℓと言われており、酸素や栄養を絶えず運搬することで私たちは活動することができます。

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心ポンプ機能を決める4つの要因

心臓から出される血液を心拍出量といいますが、これは心ポンプ機能を反映しているとも言えます。

心拍出量は次の式で表されます。

心拍出量=1回拍出量×心拍数

心ポンプ機能の決定因子は以下の4つです。

  • 心拍数
  • 心筋収縮力
  • 前負荷
  • 後負荷

ひとつずつ解説していきます。

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心拍数

心臓が血液を全身へ送り出す回数になります。

運動などで増加しやすく、より多くの血液を全身へ送り出されます。

心筋収縮力が低下している場合には、反対に心拍出量が低下する危険性もあるので注意です。

心筋収縮力

心臓に溜まった血液を送り出す時に心臓を縮める力です。

心筋収縮力が低下していると、血液が溜まっても心拍出量は低下してしまいます。

前負荷

心臓が収縮する直前にかかる負荷のことであり、流入する血液量が多いほど前負荷は大きくなります。

前負荷の増加に比例して心拍出量も増加しますが、一定の水準を超えてしまうと反対に低下してしまいます。

後負荷

心臓が収縮するときにかかる負荷のことであり、血管抵抗が高いほど増大します。

要は高血圧の場合だと弱い力では血液が送り出されないので、心臓に要求されるのは強力な収縮力です。

結果として心臓に負担がかかってしまうため、後負荷の増大(高血圧)は心不全を引き起こすリスク因子となります。

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Frank-Staringの法則

看護roo! 心臓のポンプ機能

心臓に血液量(前負荷)が増加すると心筋が引き伸ばされるため、結果として心筋収縮力が強くなることをFrank-Staringの法則と言います。

図でわかるように、前負荷と拍出量は比例して増加しますが、心収縮力の強さでも変化が見られます。

心不全患者では拍出量の変化が乏しいことも注目ですね。

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心ポンプ機能が低下すると?

4つの規定因子は単独でなく複数が関与していることもあり、原因の特定は重要です。

心ポンプ機能低下は以下の症状を認めます。

  • 心不全
  • 多臓器不全

ひとつは心臓の負担がかかることで心不全に移行します。

また、血液循環量が低下してしまうと、全身の骨格筋や臓器の酸素・栄養不足により全身的に症状が出現するので、早期治療が望ましいです。

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リハビリテーションの注意点

心ポンプ機能低下に対しては医師が適切な治療を提供していますが、リハビリテーションを並行する場合があります。

基本的には薬剤による調整がメインとなりますが、治療方針を理解していないと正反対の効果を提供してしまうことになります。

○事例1

薬剤治療:降圧剤(後負荷軽減)

リハビリ:レジスタンストレーニング(後負荷増大)

○事例2

薬剤治療:静注利尿剤

リハビリ:積極的な飲水指導

心当たりがある方は、今いちど訓練内容を見直してみると良いかもしれません。

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参考著書

オールカラーによる図解で大変わかりやすいです。

まとめ

心疾患患者の治療方針に関与する心ポンプ機能について解説しました。

基本は薬剤調整になりますが、リハビリが目的に反した訓練内容を提供しては意味がありません。

患者の病態把握のために、こういった知識も身につけておきたいですね。

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